【美しき世界】
其処には夢の世界が広がっていた。
絵画の様な世界が………
「はぁ…早く来過ぎちゃった…」
日直の為、早起きをして学校へ来た少女は、何処か時間を潰せそうな場所を探していた。
少女自身でも、何故こんなに早く来たのかが分からない位の時間帯の為、誰も居ない校舎はシンと静まり返っている。
少女は、静か過ぎる教室にポツンと一人で居るのが心細くなってしまったのだった。
少女が屋上への階段に差しかかり、上がろうとした時、目の前に人影が現れた。
「○○、今日は随分早起きだね」
「あ!色くん!!」
目の前で微笑む三原に、少女は早く学校へ来た理由を話した。
すると、彼は「おいで!」と少女の手を取り、屋上へと駆け上がって行った。
「…どう?なんて素敵なんだろうね…」
屋上の扉を開けると、目の前には今まで見た事の無い…此処が学校の屋上である事を忘れてしまう様な景色が広がっていた。
雲の隙間から射す朝日が幻想的な世界を創りだし、三原の「天使が降りて来そう」という台詞がピッタリと当てはまる。
少女はそんな世界に魅了され、フェンスに駆け寄って身を乗り出して辺りを一望した。
「…綺麗……」
「…ボクはね、朝此処から海を眺めるのが大好きなんだ……」
三原は景色に見とれる少女に嬉しそうに語り掛け、続けた。
「朝が来る度に、こうして生まれ変わる…だから世界は美しいんだ…」
「うん…そうだね。分かる気がする」
(………?!)
瞳を輝かせ、景色を見つめる少女の姿に、三原は心を奪われた。
幻想的な光を…世界をバックに、少女はその世界に溶け込んでいるかの様だった。
――まるで、一枚の美しい絵画の様に………
「……?」
三原が自分を見ている事に気付いた少女は、彼に微笑みを向けた。
その笑顔は、周りの景色が色褪せて見える程美しかった――――
「……?!!」
時間にして、ほんの一瞬の出来事だった。
少女は驚き、大きな瞳を見開いた。
「!!」
そして、三原も自分がした事に気付いて、慌て少女から離れた。
「…ボクは…キミになんて事を……」
唇を手で押さえ、戸惑う少女の姿を見て、三原は顔に手を当てた。
「ゴメン…こんな事をするつもりは無かったんだ……」
三原は自分がしてしまった事に後悔をした。
それと同時に、“彼女に嫌われてしまうのではないか?”と云う恐怖感が襲い、少女の顔から視線を外した。
そんな三原を見て、少女は「うぅん」と首を横に振った。
「…私…嬉しかった……」
「え……?」
少女の言葉に三原が視線を戻すと、其処には、頬を紅潮させて微笑む少女の姿が有った。
さっきと同じ美しい笑顔で………
「キミがこの景色を好きになってくれて、ボクはとても嬉しい……キミと見られて良かった……」
「うん…私も…」
お互いの唇が再び触れ合い、幻想的で美しい世界に二人は溶け込んで、一枚の美しい絵画を心のキャンバスに描いた。
「……日直の仕事手伝うよ」
「うんっ」
二人は手を繋ぎ、夢の様な世界を抜け出して、地上の世界へと戻って行った。
fin
スチルでXXX って設定で書いたSSの第2弾目です。
この早朝スチは大好きなんですよ〜。
色様と絶対XXXしてますから!!(アフォ
因みに私、マイ黄金ペアに送った色ナリメを褒められ、暫く私の登録名が色様でした。。。
今は、違うみたいよ?(笑